平成30年10月から自衛隊の採用年齢基準の引き上げにより30歳を超えてから入隊を考えている人も少なくはないと思います。
安定した収入や休日の多さなど公務員ならではのメリットがありますが民間企業に就職してから気付かされた特殊なデメリットがたくさんありました。
今回は、これから入隊を希望している人に向けて、僕が自衛隊時代に体験した特殊なデメリットを紹介していきたいと思います。
※以下の内容は、僕の実体験なのですべての自衛官が経験している訳ではありません。
目次
1.友達に心配された特殊なデメリット
プライベートな時間は存在しない
自衛隊に入隊すると1部屋に4~6人程度の先輩や同期が入り混じった寮生活が始まります。
寮生活を経験したことがある方はわかると思いますが朝起きてから夜布団に入るまで常に誰かがいます。
100歩譲って仕事が始まってから終わるまでの時間は気になりませんが部屋に戻ると必ず誰かがいます。
しゃべり声が大きい人、体臭が臭い人、いびきがうるさい人、怖い先輩など気持ちが休まる時間がありません。
そんな1週間を耐え抜き土日はゆっくりしようと思っていても同じ考えの人は必ずいます。
インドア派で時間があればゲームをしている人、本を読んでニヤニヤしている人ずっと寝ている人など1人になれる時間がないのです。
耐えきれなくなり外へ出かけても行くところには大概知っている人がいます。
1人になれるところはホテルに泊まるか漫画喫茶しかありません。
自衛隊に入ったらまず1人になる時間が無くなると思っておいてください。
外出するのに許可が必要
自衛隊は外出の際に隊員がいつどこで誰と何をしているか把握してきます。
もちろん、いかなる時も出動となった場合に必要人数を確保するため隊員の居場所を把握するためですがプライベートが筒抜けです。
朝、何時に基地を出て待ち合わせ場所に行き、そこからどこへ移動するかなども細かく書かなければなりません。
高速などを使って遠出をする際は、2時間に一回どこのSAで何分休憩するかなども細かく書きます。
嘘をついて書く人もいましたがバレたときにどんな罰があるかわからないので正直に書くしかありませんでした。
彼女との宿泊はラブホ禁止
実際に僕が彼女との宿泊先を某所のラブホにして許可をもらえなかった話です。
彼女とのプチ旅行を計画していたのですが、周辺に手ごろな宿泊施設がなく映画なども見れる理由からラブホテルに泊まることにしました。
ホテルの名前や場所も記載し許可をもらおうとしたのですが「旅館業法」に基づいた宿泊施設でなければ許さないと言われました。
今考えれば上司はなぜ名前を見ただけでラブホだとわかったのでしょうか。
恐らくホテルの名前を検索して調べたのではないかと思います。
車やバイクを買うのに許可が必要
自衛隊は、車やバイクを保有するにも許可が必要です。
少し高くて維持費もかかる車が欲しくなったとしても「自分の身の丈に合っていない」と言われ許可をもらえません。
雪が多い地域では4WDの車でなければ許可してもらえないと聞いたこともあります。
自衛隊に入ると欲しい車を買えない可能性があると思っておいてください。
2.聞いた人皆が引いてしまう仕事面でのデメリット
以下では、実際に体験したことを紹介しようと思いますが「誰が」、「何をして」、「どう問題なのか」を分かりやすくするために登場する上長の力関係を先に示します。
【登場人物と力関係】
隊長 > 先任 > 上司 > 隊員
悩みを相談しても周りの人に筒抜け
自衛隊には何でも来てくれる相談役の先任がいる
↓
隊員Aが相談する
「上司Bとの関係が悪くて」
↓
相談役の先任が上司Bに直接叱責する
「隊員Aから苦情がきたぞ」
↓
上司Bが気分を悪くして職場に話を広める
↓
隊員Aが余計居づらくなると言った事案が実際にありました。
本来であれば隊長に報告して解決の方向へ進んでいくのですが結果的に職場全員が知ることになりました。
面倒ことは隠そうとする
相談役の先任がいる
↓
女性隊員Aが相談する
「セクハラを受けてます」
↓
先任は、問題が大きくなることを嫌がり隠す
↓
女性隊員Aは隊長に直談判
「先任が相談したことを隠しています」
↓
隊長が激怒
↓
先任は相談役をクビといったことがありました。
自衛隊では、パワハラやセクハラはとてもシビアに考えられていて問題が大きくなると隊員全員にアンケートを取ったり事情聴取をします。
身内の個人情報を上司が把握している
自衛隊は、隊員が脱柵「基地から逃げ出すこと」をした場合に当人の居場所を特定する名目で身内の個人情報を書かなくてはなりません。
家族はもちろん仲のいい友達や彼女の名前や電話番号まで上司が把握します。
この話が民間企業に就職して1番驚かれました。
上司や先輩は自分を守ってくれない
自衛隊は典型的な階級社会です。
自分がミスをしたことを始めは笑って見逃してくれますがその上の上司から怒られると態度が一変します。
自衛隊に限ったことではないかもしれませんが自分自身で守るしかないのです。
◆まとめ
今回は、僕が自衛隊時代に体験したことを紹介しました。
冒頭にも書きましたが、僕の実体験なのですべての自衛官が経験しているわけではありません。
これから入隊を考えている人は一度立ち止まって自分の適職を考え直してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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